夕食が、楽しい時間なんて事はありません。
ただの、屈辱に堪える場です。
隣に座る父に、箸の持ち方がなっていないと怒られます。
これは有り触れた事でしょう。
「こう持て!」と怒鳴りながら自身が持って見せるのですが、
私がその様に持つと、箸を全く動かせません。
元々思う様に動かない指は強張って、何も掴めなくなるので、また変な持ち方になって、怒鳴られ……。
心理的に、〈誰かと食事をする事〉が苦痛になっていきました。
そして何故か、ここは性的虐待の場でもあったのです。
隣で、卑猥な言葉を聞きながら、食べる夕食。
気持ち悪い、
気持ち悪い。
ニヤニヤして私を見て、どう反応するかを楽しんでいる。
異様な空間、
誰も父を注意しない。
ーーー全身に、汚水を浴びた状態で食事をしている感覚。
悍ましい。
美味しいなんて、楽しいなんて、映像作品の中の世界だけなんだ。
現実の、家族の食卓なんて、
見られたものじゃない。
(続く👻)