私以外は皆俊敏で、揶揄う様に顔を出し引っ込めて、楽しんでいる。
鈍臭い私は躱しきれず、たんこぶや痣だらけだ。
よしもう一度、と穴から顔を出した時、
正にこの穴で待ち構えていた木槌の威力をそのまま受けてしまい、
今、血が滴り落ちている。
あはは。希望の光って何だ。
見上げて想いを馳せるだけの丸い窓か。
夢を描く事を笑いながら阻む、穴から出してやるものかと、木槌を振り下ろす何者か。
一歩踏み出したって、血を流し痛みに苦しむだけ。
薄暗い中、座り込んで、血がボタボタ。
このまま腐って、土に還りたい。
何も無くなるんだ、
元々無かったんだ、
そう思えば楽になって、
目を閉じられる。
頭と顔から、ボタボタ落ちる。
血なのかな、
涙なのかな、
疲れたから、よくわからないね………………………。
「起きて、起きて!君が壊れたから、ゴミになって捨てられたよ。もう自由なんだよ!」
目を開けると、私の周りには土竜達が、
そして、丸い穴の向こうには天井が無く、
ただひたすら、
透き通る青だった。
💙 👻