毒親への返報

毒親や虐待をメインに書いています。

今日もコンビニは開いている④

夏休みも終わりに近付く中、福岡に立つ日に店に寄れたら寄ると言うので、何か出来ないかと店側は考え、結局ベタだが寄せ書きをする事になった。

色紙に、それぞれが凪子への想いを書く。真ん中には大きく、

いつでも 店を開けて 待ってるよ

と語り掛けている。


店で一番若い壮亮はいつしか同年代的感覚の目線で見られる様になっていて、

「野菜ジュースは飲んだ方がいいよ」
「私達もそうだけど、一人ゴハンなんて珍しくないわよね」
「友達とプール行くんだ。一緒に来る?ていうか泳げる?」

「一緒に行ったら僕はただの変態に見られると思う」と返した時は、凪子は笑いながら「そんな事ないってー」と暫くの間笑っていた。

気持ち的には店員と客の関係は越えていて、急な別れに最後の言葉は直ぐに出てくる筈も無く、壮亮は久し振りに寂しいという感情に陥っていた。



寄るかもしれないその日、店側は全員が揃って会えるかもしれない瞬間に備えた。

午前中母親と共に凪子が来店、表情は…明るくないが最後の買い物をしてそして、オーナーが代表して色紙とお菓子などの詰め合わせを渡した。

その時はほわっと微笑んでくれた凪子。

「またねー」と店員達は手を振り、凪子も手を振って車に乗り込み、レジにオーナーを残し他の店員は外へ出てお見送り。

手を振りながら壮亮は助手席の凪子と目が合った。
その瞬間心臓をバンッと叩かれる様な衝撃を受け、振る手が止まる。


               (続く👻)