人間一人一人、未来がどう描かれるかなんてわからない。
見守って見送った子が酷い目に遭っていた現実に、悔しくて壮亮の顔は涙で濡れるばかりだ。
しかし、それとは別に。
コンビニがほんの少しだとしてもあの子の良い記憶としてあったのなら。
何となく働き何となく生きている壮亮、夢も希望も特に無い。家族から逃げぼんやり日々をやり過ごしているが、
使い勝手がいいのでオーナーからは調法がられ、今も転職せず店員だ。
ーーーコンビニって、愛でしょ?ーーー
その一言で、全てを肯定された気持ちになった。
家族に、恥ずかしい息子だと言われた事がある。
否定された記憶しかない。
それはもうただの過去だと凪子に教えられた気がして、
壮亮はまた涙が流れた。
慣れた、いつもの仕事に勤しむ壮亮だが、
世界が少し違って見えた気がした。
様々な客がいて、様々な内情がある。
凪子も、いつか再び店に来てくれるかもしれない。
来ないかもしれないけれど、もし来たら、
傷付いた精神を癒すなんて大きな事は出来ないけれど、
いつでも 店を開けて 待ってるよ
これだけは変わらない。
ずっと変わらない。
壮亮は、自分が思う愛という概念に、
お金とコンビニを加えた。
💴 💗 🏪 👻💞