「私前に子育てについての相談員をやっていた事があって。聞いたら梨花ちゃん悪い行いも反抗もしていないじゃない。ちょっと異常な縛り付けかもしれない。一度制限緩和を申し立て、どう出るか見てみたいわ。学校や教育委員会や警察などという言葉が出てきても怯えないでいいのよ。貴女は何も悪い事をしていない、それを信じて」
悪い事は、したとしたら酷い目に遭うから出来ない。従っている方が楽だった。
しかしその生活は自分というものが見当たらず何故生きているのかわからず、自然と死を考える日々の中、
射した光。
私は母に電話をした。
同級生の家にいて前の門限の夕方六時までには帰ると伝えたが、案の定怒り狂っている。この間の男子生徒の所為かと騒ぎ、学校に電話すると言う。
勝手に、涙が流れた。
母を扱い切れない。
「生きている意味が無いから、死のうと思って。今日は、出来ないけど」
『はぁ!?だったら私が死ねばいいんでしょ!』
母はそう叫んで電話を切った。
三人で急いで母の様子を見に行く。台所の床に座り込んで包丁を手にしたまま泣いていて、まだ何処も傷付けていない様だ。
繁明のお母さんが呟く。
「梨花ちゃんにはもう対処出来ない分野ね。今までよく頑張った、もう大丈夫だから」
(続く👻)