毒親への返報

毒親や虐待をメインに書いています。

飛沫

夏の終わり、毎回この時季に、アレルギー性鼻炎の症状が酷くなります。

今は、くしゃみエチケット、鼻をかんだら手洗い・手指消毒、これは当然ですが、
家の中でも部屋に一人でいてもいちいちこれをやるので忙しない。

くしゃみは急に出る時も多いので間に合わない場合は、下を向いて床へ。
こんな感じで気を付けなければならないのですが、

今までって、鼻かむ度に手を洗ったり消毒したりしていたか?していないし、くしゃみも飛沫を思う存分撒き散らしていた。

きったねぇな……😨。

母も、家中に響き渡る様なくしゃみを沢山しています。
えぇ、出ますよね、今は特にね……、
……………、

性格上、くしゃみエチケットはしていないと思われます。

飛沫が、あちらこちらに付着しているでしょう。

恐ろしい。

アルコール消毒の範囲が増えましたね!

職場や学校にこの様な人がいると、空気が悪くなったりしそう。
いつもの事ながらキレ易い⚡母に私は余り意見出来ないので、地味に消毒を続けます。


でも、母が私に話がある時、その都度不織布のマスクを(付けてと)渡していたら、

遂に、マスクをした状態で私の前に立つ様になりました。

おめでとう😷。


       😫💦💦💦        …👻

今日もコンビニは開いている⑦

人間一人一人、未来がどう描かれるかなんてわからない。
見守って見送った子が酷い目に遭っていた現実に、悔しくて壮亮の顔は涙で濡れるばかりだ。

しかし、それとは別に。

コンビニがほんの少しだとしてもあの子の良い記憶としてあったのなら。

何となく働き何となく生きている壮亮、夢も希望も特に無い。家族から逃げぼんやり日々をやり過ごしているが、

使い勝手がいいのでオーナーからは調法がられ、今も転職せず店員だ。


ーーーコンビニって、愛でしょ?ーーー


その一言で、全てを肯定された気持ちになった。

家族に、恥ずかしい息子だと言われた事がある。
否定された記憶しかない。

それはもうただの過去だと凪子に教えられた気がして、
壮亮はまた涙が流れた。



慣れた、いつもの仕事に勤しむ壮亮だが、
世界が少し違って見えた気がした。

様々な客がいて、様々な内情がある。

凪子も、いつか再び店に来てくれるかもしれない。
来ないかもしれないけれど、もし来たら、

傷付いた精神を癒すなんて大きな事は出来ないけれど、


いつでも 店を開けて 待ってるよ


これだけは変わらない。

ずっと変わらない。


壮亮は、自分が思う愛という概念に、

お金とコンビニを加えた。


        💴 💗 🏪     👻💞

今日もコンビニは開いている⑥

探したが見つからず、考え過ぎだろうと缶ビールを取りに行き、またテレビの前に座る。

虐待被害者はこの先をどう生きるか、というテーマへ流れ、画面の、顔が隠された女性が話し始めた。

「コンビニが、好きなんですよ」
「いつでも開いているでしょ(笑)」
「辛い時は、引き寄せられる様に入ってしまうんです」

首元や手元だけ映されているが、音声を変えていても少しだけ、トーンが上がっているのが伝わる。

「私コンビニにはいい思い出しかなくて…」

缶ビールを片手に持って飲まずに固まったまま、壮亮は観入っている。

「子供の頃よく行っていて、店の人がみんな優しかったんですよ。お母さんは忙しいから「寂しい」とか言えなくて、だからつい行っちゃう。お小遣いだけは充分貰えていたので」

缶の冷たさを感じなくなって、目の回りに血流が集中し、ぼやける視界で画面を見ながら、それでもまだ壮亮は[違うよな]と核心に辿り着かない。

その女性の口元が映り、綻んでこう言った。


「コンビニって、愛でしょ?」


ーーーーーーーーーーーーあぁ、凪子だ、

やっぱり凪子だ。

そう思って気が付いたら壮亮は涙を流していた。

こんな事思ったらいけないのだろうが、これ程辛い目に遭ったのが凪子でなければいいと願ったが、

口元と言い回しが、


紛れもなく凪子だった。


               (続く👻)

今日もコンビニは開いている⑤

瞳の奥の、果てしない脆さ。
不安、寂しさ、無力さ、子供という立場の弱味、

どうしようもない勢力に流され、救いを求め手を伸ばす凪子に、

何も出来ずただ立ち尽くす壮亮。

[寂しい]

言葉の代わりに、そう物語っていた瞳。
それぞれへの手紙にも見せていなかった。

仕方が無い、

向こうで元気に過ごす事を祈るしかないと、車を見送った。


日々を重ねる事で、壮亮も寂しさは軽減していったが、

更に数年経ち、未だ何となく働き何となく生きていた壮亮。
自宅で虐待に関するテレビ番組をたまたま観ていた。出演者の顔出しは無いが、俄には信じ難い壮絶な内容ばかりが語られている。

父親からの性虐待、父親が付き合っている女からの暴力・暴言、自殺未遂、家出、

よく生きてきたなと辛くなりながらも、もう一本缶ビールを取りに行こうと立とうとしたところで、

テレビ画面には告白している女性の顔は映っていない。が、急に壮亮は画面に観入った。

本名も顔も隠されている、十代、髪は肩までは届かない、音声は変えられている、

情報はほぼ無い状態だが、

ただならぬ不安の様な気配の理由を、

壮亮は画面の中から必死に探した。


               (続く👻)

今日もコンビニは開いている④

夏休みも終わりに近付く中、福岡に立つ日に店に寄れたら寄ると言うので、何か出来ないかと店側は考え、結局ベタだが寄せ書きをする事になった。

色紙に、それぞれが凪子への想いを書く。真ん中には大きく、

いつでも 店を開けて 待ってるよ

と語り掛けている。


店で一番若い壮亮はいつしか同年代的感覚の目線で見られる様になっていて、

「野菜ジュースは飲んだ方がいいよ」
「私達もそうだけど、一人ゴハンなんて珍しくないわよね」
「友達とプール行くんだ。一緒に来る?ていうか泳げる?」

「一緒に行ったら僕はただの変態に見られると思う」と返した時は、凪子は笑いながら「そんな事ないってー」と暫くの間笑っていた。

気持ち的には店員と客の関係は越えていて、急な別れに最後の言葉は直ぐに出てくる筈も無く、壮亮は久し振りに寂しいという感情に陥っていた。



寄るかもしれないその日、店側は全員が揃って会えるかもしれない瞬間に備えた。

午前中母親と共に凪子が来店、表情は…明るくないが最後の買い物をしてそして、オーナーが代表して色紙とお菓子などの詰め合わせを渡した。

その時はほわっと微笑んでくれた凪子。

「またねー」と店員達は手を振り、凪子も手を振って車に乗り込み、レジにオーナーを残し他の店員は外へ出てお見送り。

手を振りながら壮亮は助手席の凪子と目が合った。
その瞬間心臓をバンッと叩かれる様な衝撃を受け、振る手が止まる。


               (続く👻)

今日もコンビニは開いている③

つい、やはり、どうしても。
見守るだけの筈が、オーナーも店員達も気持ちの上で〈一人の客〉扱いをするのが難しく、

夏休みに入ってコンビニにいる時間も長くなった凪子と、更に絆を深めていく。

凪子と母親が連れ立って来店した事もあって、二人の姿はただ、仲の良い母娘だ。

家庭内の事は覗けない、のだが、子供には周りの大人達が手を差し伸べてあげればいい。
そんな想いでいつでもコンビニは開いているのだが、

店には来ている、しかし凪子の顔から少しずつ、笑みが引いていった。


暫くして、また母娘で来店した時、店側はその理由を知る。
母親はオーナーを呼んだ。

「この子がもう来られなくなってしまうので…。皆さんと仲良くさせて頂いて、本当にありがとうございました。オーナーさんと奥さまと、店員さん一人一人に手紙を書いたそうなので、これ(手紙)を…」

「えぇっ!引っ越すのですか?」

「この子だけ、福岡の父親の方に」

今度は、別れた夫が引き取るという事。

オーナーは、手紙の束を手にしたまま、
しばし言葉が出なかった。


皆で大事にしていた凪子の笑顔が、

遠くへ行ってしまう。


              (続く✉👻)

今日もコンビニは開いている②

その日食べたい物と、時には漫画や可愛い小物などもカゴに入れている。

小学生にしては、確かにお金を持っているなと壮亮が思った時、その女の子ーー凪子が言った。

「お金って愛でしょ?」

成人している大人としてどう返すか迷っているうちにレジ前に客が立ち、誤魔化し笑いながら壮亮はこの場を去る。

店員達が聞いた話を総合すると、
長い時間一緒にいられない代わりに、学校で使用する物や洋服などは勿論、自分で自由に使えるお金も充分に与えて貰っている、という事らしい。

そして、それがお母さんの愛。

皆で話し合って、「それって寂しいんじゃない?」などという事は言わない様に決めた。
忙しい母親が、せめてもの想いで形にしている愛。
他人がとやかく言う事ではない。


一人で食べる夕食とはどういうものか。
壮亮は、苦痛だった家族との夕食を思い出す。

作法に厳しく、苦手な物も残すのを許されず、食後吐き気がしてしまう身体に合わないと思われる物も出され続けた。

今一人暮らしになって気楽に食べたい物だけ食べられる、和やかさ。

しかし、あの子は一人お弁当。

言葉にはしないが、壮亮は、[寂しいよな]と心で呟く。


               (続く👻)