目覚めたら私は頭上に腕を挙げていた。
普段こんな寝方はしない、夢の中で降参でもしたのだろうか。
とは言え寝た気はしていない、意識は現と夢を彷徨い、その中で肉体がーーーーー
ーーーーー無自覚に足掻いている。
好き好んで苦痛に身を置いたとしても、どのくらいの時間・年月堪えられるのか、
何れやはり楽になりたいと思う。
短い間の苦痛でも無ければ無いで平穏、
結局救われたい。
鍛練、努力、忍耐、根性などの概念がある今呼吸している世で、
無意識に楽を選ぶ。
情けないが、人体に具わった能力か。
探し物は見つからなければある程度で諦めるが、
無意識に求める楽は、見つかるまで探している様だ。
生物はいつも苦痛の中、記憶を無くす程の強圧でない限り、
共にいるしかない。
磨り減る精神、
探し回って、
楽は何処か、
私は両腕を挙げた。
なけなしの楽を掴もうと。
(続く👻)