堀辺の者達④
〔堀辺の者達〕はフィクションを書こうとしたのではない、いろんな意味で置き去りにされていると思われる人達を出来るだけ書き出そうとしたが、多過ぎて書ききれない。
それにここに上げられなかった人達が外された気持ちになったらいけない、という事で考えたら膨大にいるのだ。
堀辺の混み合いを見るとわかる様に、解決する方が少数か。知り得ない分野で人々は置き去りにされたまま、今もそこで呼吸をする。
異常を生きる日常、世は善悪表裏一体。
自分自身が堀辺に来ながら、逆に何人何十人此処に追いやっているのか。無自覚の罪、天の裁きは夢幻だ。
ーー視線を感じてその気配の方に顔を向けた。知っている姿、そうだよねあなたの苦痛の日々を作ったのは私、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい。
裁きは誰が下す?
私は置いてけ堀の水の底を凝視した。
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