堀辺の者達①
大勢の人が敢えて集まっている訳ではないが居る所、
此処は置いてけ堀。
老若男女・LGBTQ+・国籍も様々、赤ちゃんもいる。
それぞれの生活の場で日常を送っている人達だが此処に集まっている様に見えるのは、
置き去りにされているという認識を皆持っているという事だ。
私も此処にいるのだがしかし幾ら記憶を遡っても保育園児にはなっていて、それ以前は幼過ぎて深い思考も無さそうだが、確かに赤ちゃんがいる。
これでは、仮に置き去りにされたとして、この赤ちゃんがそれを認識しているという事になってしまうではないか。
まさかそんな。
私はその赤ちゃんを抱いている女性に声を掛けた。
「お子さんですか?」
「いえ、私は看護師です」
(続く👻)