堀辺の者達②
「すみません置いてけ堀に赤ちゃんって珍しくて」
「私も驚いています、私自身は度々此処にいるみたいですが、この子までなんて」
「詳しい事情を聞くつもりはありませんが、赤ちゃんって寝る・泣く・ミルク飲むとかそれくらいで、他は大して考えていなさそうなイメージ」
「実際は赤ちゃんもいろいろ感じで考えてわかっているという事になりますね。ただ多くは忘れてしまうから、赤ちゃんの頃の記憶は残っていない」
「置き去りにされたと認識している……」
気持ちが沈んでしまった。しかし〈忘れる〉とは赤ちゃんに備わった能力だろうか、
生きる為の。
子供も大人もお年寄りも、この能力があったら良かったのに。
(続く👻)