戸惑い③
幾つかの本物のドアは、選択肢か。
鍵らしいものは付いていないが向こうから開く事は無く音も漏れてこない。
このまま行動せず息絶えるのも選択肢の一つ、そんな事を考えながらまた連なるドアを眺めていたらーーーーー、
このドアは本物だった筈、絵に変わっている?あっちのドアは確かに本物……張りぼてじゃないか、これもこれもこれも、
本物は幾つになった、慌てて壁の表面を触って確かめてーーーーー、
全て偽物になってしまった!私は閉じ込められた、茫然として固まる。
このまま息絶えても…なんて選択肢がある故の余裕の思考なのだ、
もう向こう側は存在しない、
何も無い、
別世界に想いを馳せる事も出来ない。
あぁ何故こんな人生だった、
だから皆ドアを描いて作ったのか、
苦しい、
出たくても出られない、
選択肢は一つだけ、
息絶えるのを待つのみ。
ーーー眠ってしまっていた、目覚めたらいつもの風景。
ドアはーーー、幾つか本物に戻っている。
心の底からほっとした。
情けない、大切な事を悪夢に教えて貰うなんて。絶望を知らぬ浅はかさ。
どのドアを、開けるのか。
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