点けっぱなしテレビの音の中
酔い潰れてしまっていた僕の視界には
酒の瓶の向こうの若気てる姿が映らない
グラスの水滴だけ
何となくだけど〈旅〉という字が浮かんだ
燻っているのはお前に似合わない
だから
境界線に立つ 足場は悪いさ
下界も上界も関係無いと言う
思い悩むのは馬鹿だと流して
胃壁を荒らしたりしている
形無いものなら多くを伝授してくれたけど
プレゼントは重荷だと
中傷を浴びたら嘸歪んだだろう顔は
実際面白がっていた
何となくだけど〈居場所〉という概念は
持たずにお前はいつも笑ってた
だから
境界線に立つ 眺めはどうだ
狭苦しい世に呆れているのだろう
潔く喪失 夢みたいな話も暴言吐くよりかなりマシ
生前とか死後とかどうでもいいんだと
それを表す一度も動かない置時計
(続く👻)