毒親への返報

毒親や虐待をメインに書いています。

喪失を持って部屋を出た(1)

点けっぱなしテレビの音の中

酔い潰れてしまっていた僕の視界には

酒の瓶の向こうの若気てる姿が映らない

グラスの水滴だけ

 

何となくだけど〈旅〉という字が浮かんだ

燻っているのはお前に似合わない

だから

 

境界線に立つ 足場は悪いさ

下界も上界も関係無いと言う

思い悩むのは馬鹿だと流して

胃壁を荒らしたりしている

 

 

形無いものなら多くを伝授してくれたけど

プレゼントは重荷だと

中傷を浴びたら嘸歪んだだろう顔は

実際面白がっていた

 

何となくだけど〈居場所〉という概念は

持たずにお前はいつも笑ってた

だから

 

境界線に立つ 眺めはどうだ

狭苦しい世に呆れているのだろう

潔く喪失 夢みたいな話も暴言吐くよりかなりマシ

生前とか死後とかどうでもいいんだと

それを表す一度も動かない置時計

 

 

              (続く👻)