女子高校生は、忙しい。
ミツキは学校が終わると直ぐバイト先へ向かう。
「整形資金を貯めるんだって。目と出来れば鼻も、とか」
「こう言っちゃ何だけど、あの人整形しなくていい顔だよね」
「寧ろ整っているのに。まぁ個人の自由なんだけどさ」
バイト中のミツキは、メイクをしている。
試供品や百円ショップで最低限の調達、家と学校以外は素顔を隠す。
[この顔、早く変えたい]
コトコはいつも笑顔だ。
「家でもそんな感じなの?って聞いたら、「うん」だって。愛されて育ったんだねー」
「この間先生が真剣な話してる時に、あの娘ずっと微笑んでいたらしくて、凄く怒られたって」
「それは流石にマズいでしょ」
一生懸命笑顔を作っていたら、それ以外の表情の作り方を、コトコは忘れてしまった。
[笑えば、場の空気が和むから]
マリカには、あだ名がある。
「仕方無いよね。お願いされればOKなんだから」
「《すぐやれるおんな》って、そのまんまじゃん」
「もっと自分を大切にすればいいのに」
(続く👻)