ミツキに、カウンセラーが話し掛ける。
「整形したいんだ」
「はい」
「友達と遊べないくらい、バイト頑張り過ぎじゃない?」
「早くお金稼がないと」
「どうしてそんなに整形したいんだろう」
「鬱陶しい顔だから」
「誰かに言われたの?」
「お婆ちゃん」
コトコに、カウンセラーが話し掛ける。
「顔が(笑顔から)戻らなくなっちゃったのね」
「はい」
「笑顔の切っ掛けは何かな」
「家庭がギスギスしてて。私が笑うと少しだけ笑い返してくれるから、笑って欲しくていつも笑っていたら、他の顔がよくわからなくなって…」
「頑張ったねー。無理し過ぎたから、筋肉と心を少し休ませてあげたいね」
「休むの、怖い」
「どうして?」
「家庭が崩壊しちゃう」
マリカに、カウンセラーが話し掛ける。
「受け入れちゃうんだね」
「はい」
「その時は、楽しい気持ちかな」
「いいえ。でも断るより楽です」
「断ったら、どうなるんだろう」
「…怖い思いを、するだけ」
「誰が怖い?」
「父です」
(続く👻)