時々鬱ぐ顔をするから、琉偉君が笑うとほっとする。良かったと思える。
笑って「またね」と手を振ったんだ。
ーーーとんでもない事でも起こればーーー
今、琉偉君は意識が無いまま眠っている。頭部に強い衝撃を受けたのが原因らしいが、
事件か事故か自殺未遂か、未だはっきりしない。
僕は直ぐに[やられた!]と思った。直接何か見聞きした訳じゃない、ただ、ーーーーー大きな力で押さえ込まれ、表現方法は制限される中、一人でいる時は、鬱いでいる様子だった。
声を掛けると、「璃央君」と嬉しそうに鬱いだ顔が変わる。
僕が感じる限り取り繕ったものではなく、安堵する顔だ。
勘でしかない、自殺なんてする筈が無い、事故と言うより、
親にやられた。
父親か母親がやった。
家庭の事は話さないから詳しくは知らないけれど、怯えている様な、諦めている様な、力無く俯いて、目に生気は無くて、
だから。
琉偉君に笑って欲しくて、
二人で楽しめる事を、僕はいつも考えていた。
(続く👻)