毒親への返報

毒親や虐待をメインに書いています。

砂漠の水鳥

草木を奪われて剥き出しになった大地に、  乾燥した空気が強風に化け襲い掛かり、   土埃を巻き上げる。                                 空と地は一つになり外気を吸い込むと喉と唇がざら付く。                                    視覚に頼れず僅かに薄目を開けて、それでも前後左右どちらに進めばいいかわからない。                      此処は何処、私は誰。                                対称がいなければ自身の存在を知るものも語るものも無い。                                   この世は息をしていないのか、       全てはこの地鳴りの様な風音に掻き消されているのか。                                     寂しい訳じゃない、愛するものはもう見送る事が出来て、後は私も消滅するだけ。                                              ーーーあの白い光は何だ、                              横に引いた線だけの様な視界でも染み込んでくる白い輝き。              水面に浮かんでいる。           翼を広げた。                                    鳥なのか?                                     明らかに生命を誇示する大きな羽根、強風など自然界では慣れたものだとでも言う様に、土埃の中影響を受けず煌めきを放つ。                         あぁそこには水があり君が生きているんだ。                      そう確認出来ると自身の立つ場所も自ずと見えてくる。                                                          本当はいない筈、凍える季節の頃だけ逢える奇跡なのに。                                    幻想のオアシスか?                                                      いや、確かに君の息遣いを感じている。                        羽ばたいて、最期まで光を放って。                                                              ❇   👻