毒親への返報

毒親や虐待をメインに書いています。

慈雨

何も考えられない時は、体内や心が乾いている状態だ。

なのに動きづらい程身体は重々しい。

それでも急かされる様に次から次へと、
やるべき事が襲ってくる。

無理に立ち上がり、眩暈が起こる。

意識なら途切れてしまって構わない、
無感覚に陥れるならそれがいい、

しかし、それは許されない様だ。

かさつく皮膚表面に、物体に蓄えられた電気の容赦の無い攻撃を受け、
それにより脳は覚醒したまま。

やはり、現実以外に居場所など、今のところ存在しない。


……何気無く君が、顔を洗い始めた。

暫くして、気配は微かに潤いを含む。

ビリビリした刺激に怯えながら窓を開けると、屋根を打つ音が一つ、二つ…と重なる。

「降って来たね」

そう話し掛けると、腕に顎を乗っけて寝ていた君は、尻尾の先だけ揺り動かした。

そぼ降る日は、君はよく眠る。

見ているだけで落ち着く。

その寝息と雨の湿気が、
いつの間にか私の乾きを和らげていた。

[一緒に寝ようよ]

と誘われたかの様に、

心地好く瞼が重くなり横になる。


君の傍で。


                  💤😸👻💤☔