短期間で、フェイクは蔓延する。
吸い込みたくない、嫌な塵だ。
私にとって、矢沢さんは、学校に行くのを重い気分にさせてくれただけの人。
そう簡単に、庇う気は起こらない。
どうしようか、建前的に間違いは正さなければいけないし、
一応、言わなければならないお礼。
担任の助言で、矢沢さんにお礼を言うなら、「学校を休んでいるから自宅まで行ってみたらどうだ」という事で、
本当に仕方が無い。
何故ここまでして、全く不条理だな。と思いながら、一軒家の住宅の前に着いた。
玄関チャイムを押して暫く、結構待ったか、玄関の引き戸を開けたのは俯いた矢沢さん本人だった。
「急に来てごめ……………………………………………………………」
鏡に映った自分を見ているのか、と思った。
お礼など吹き飛んで、言葉を失う。
中学生なんて、一人一人が無力だ。
(続く👻)