「誰にやられたの」
「ーーー父親」
「殴られた?」
「うん」
「酷いね……」
「…………………」
俯いていてもわかる程歪んだ顔、
腫れ上がった目元、
上から私を見下ろして、楽しそうにしていた時と今との差が激し過ぎて、
胸が苦しくなった。
どうする、どうするーーーーーーーーーー
一つわかった事がある。
現状から抜け出す術など無いと脳内を支配されている中、
ほんの少しでも誰かの力が加われば、
一言を、一歩を出す気力が生まれたりする。
その気力の切っ掛けが、救急車を呼んでくれた矢沢さんだった。
「他の家族は?守ってくれたりとか」
「学校に行かない私が悪いから」
自分の方を責める。これも私自身を見ている様だ。
どうする。
「警察に行こう」
(続く👻)