何でも捨てられる場所がある。
しかし、安易に捨ててはならない。
穴の中には、捨てられたもの達の安寧がある。
それは、残念・無念などが分離されるから。
私が捨てられれば、今まで捨てたものの念に、塗れて過ごす事になる。
安寧など待っていない。
死ぬ方が楽だと言われている。
何故だ、
私は皆の為に、家族の為に、要らないものを捨てただけなのに。
冗談じゃない。免れるには、そうだ、妻と娘を先に捨てるしかない。
強く願って、
ーーー駄目だ、二人分の強い願いの大きな穴は、既に私を吸い込もうとしている。
「許してくれ!陸にも謝るから」
今まで捨てたものの顔や姿が次々浮かび、それと共に一度も考えもしなかった膨大な念が渦巻き、待ち構えている。
迷惑に思う事を野放しにするのが正義なのか。
誰かがやってくれるのを待って何もしないのが善人なのか。
「りっくんは、いいところがいっぱいあったんだよ」
「陸の大変な部分はあなたの生き写しだった。気付いていなかったの?」
待っーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
🌀 👻💨💦