真正面に立たない。
圧迫感や図々しさは不利になる、敢えて逸らすのだから、立てないのではない。
と、濁す。
真っ直ぐとはどういうものだったか。
入り組んで絡み合ったものばかりで、正確に把握しようとするならば着くべき所に辿り着かない。
無理矢理突っ切って進めば上辺をなぞるだけ。
良い意味でも遠回りや曲がったりするのだから、
真正面・真っ直ぐから離れていく。
だから、忘れてしまったのか。
間接照明でなければ目が堪えられなくなった。
忘れてしまったと言うのか。
私は途方に暮れて、夜空を仰いだ。
…そこには、無限の空間を四分割する、
十字の光。
微塵の摩れも無い、縦に横に、
真っ直ぐに走る光が、
堂々と示してくれる。
ーーーーーあぁこれだ、忘れてなどいない。
その光を放つのは、有りの儘の、
満月。
❇ 👻