大人しい子の筈なのだが。お目当ての物を出せない私に発破を掛けてくる。
「ごめんね~💦」
「自由にお金を使えるってやっぱりいいよね」
「それは…ねぇ」
「早く働いてお金を稼ぎたい」
「ガチャガチャするの?」
「自立をするの!」
一瞬固まる程驚いた。十歳に満たない子供が自らお金を稼いで生きていく事を考えたりするのか?
自立という言葉を言い放った時の彼女には、生気が漲っていた。
[生きていないみたい]だと、思ってしまって申し訳無い。
ただ虚に大きな力に流され漂っているのではないのだ。自分のいるべき場所がここではないのなら、
真の居場所を見つけるべく、
自立する。
私は強い志無く逃げる様に家出したが、この子はしっかりしている。
「あ、コレじゃない(お目当ての物)?」
「やったね。おばさん自立の話は内緒にして。私の中だけで考えてる事だから」
「わかった。…自由っていいよ本当に」
「だよねー、早く大人になりたい」
深くは何も聞けなかったが、この子は俯いてばかりではないのは確かだろう。
(続く👻)