本当なら聞かなければならない、ずっと引っ掛かっていたではないか、
[虐待に遭っているかもしれない]
確信が持てない事を口に出す難しさ。またと無いチャンスの今、適切な問い掛けを捻出しようと脳が焦る。
ここで友人が戻って来た。
「ごめん、この子家まで送って行ってくれる?」
「え、私はいいけど」
「よろしく~」
…キラキラした顔で直ぐ行ってしまった。
娘に目もくれず。
男の事で頭は一杯か。しかし微妙だ、この状況は私に娘を託しているからネグレクトとは言い難い、でも母娘の繋がりの様なものが、気配すら感じられない。
「私一人で帰れるから」
「駄目駄目駄目、送って行く。お母さん行っちゃったねぇ…」
「うん。あの人はあの人、私は私。あ、私は自由じゃないけどそれは子供だから仕方無い。いつかきっと、自由になってみせる」
あぁ本当に申し訳無い、この子は大人しいいい子なのではなく、芯が強いいい子なのだ。
もう自立は始まっている。
(続く👻)