毒親への返報

毒親や虐待をメインに書いています。

使者②

「死にたいとか、言ってたかな」

「何となくは」

知らなかった。皆仲が良いだなんて、私とは上辺の仲でしかないという事。

それは別にいい。それより、命を絶った子達は、何て潔いんだと、愕然としていた。

死んでしまおうかな。そういう風に思っていたんだ私は。

「今度遊びに行かない?綺麗な景色が見えてマイナスイオンを感じるいい場所があるんだ」

急に?遊びの誘い?もしかして神尾君は、塾の仲間達にいろいろあったから、気分転換でもしようという事なのかもしれない。

学校にいるよりも、家にいるよりも、ここ(塾)で仲間達といる方がずっといい。ここが無くなったら困る。大切な場所。


遊ぶ約束をして、帰り際一人になったところで。

「行かない方がいい」

後ろから声を掛けてきたのは、宇都宮君。
頭が良くて、黙々と勉強をしているからそんなに多く話した事は無い。
神尾君と遊ぶ約束をしたのを、聞いていたのか。

「何で?」

「ーーー今は何とも言えないけど、」

ここで宇都宮君は声を潜めて、しかし強く。

「行ったら駄目だ」


駄目な理由を言ってくれないし、神尾君は誰とでも仲良くする優しい人だし、

私は宇都宮君に曖昧な返事をして、

塾を後にした。


               (続く👻)