「死にたいとか、言ってたかな」
「何となくは」
知らなかった。皆仲が良いだなんて、私とは上辺の仲でしかないという事。
それは別にいい。それより、命を絶った子達は、何て潔いんだと、愕然としていた。
死んでしまおうかな。そういう風に思っていたんだ私は。
「今度遊びに行かない?綺麗な景色が見えてマイナスイオンを感じるいい場所があるんだ」
急に?遊びの誘い?もしかして神尾君は、塾の仲間達にいろいろあったから、気分転換でもしようという事なのかもしれない。
学校にいるよりも、家にいるよりも、ここ(塾)で仲間達といる方がずっといい。ここが無くなったら困る。大切な場所。
遊ぶ約束をして、帰り際一人になったところで。
「行かない方がいい」
後ろから声を掛けてきたのは、宇都宮君。
頭が良くて、黙々と勉強をしているからそんなに多く話した事は無い。
神尾君と遊ぶ約束をしたのを、聞いていたのか。
「何で?」
「ーーー今は何とも言えないけど、」
ここで宇都宮君は声を潜めて、しかし強く。
「行ったら駄目だ」
駄目な理由を言ってくれないし、神尾君は誰とでも仲良くする優しい人だし、
私は宇都宮君に曖昧な返事をして、
塾を後にした。
(続く👻)