学習塾の仲間達が、随分と減ってしまった。
元々こじんまりとした所で、皆仲が良いと思う。
一人、また一人と塾に来なくなって、今数人しかいない。
来なくなった理由は皆同じ。
神尾君が、私の隣に座った。
「なんか寂しくなったよね」
「ここの塾呪われているのかな」
「次は僕?止めてくれよー」
笑っている。笑っていられる状況ではないのだが、
私もこうして普段通り塾に来ているのだから、似た様なものだ。
笑みを消して、神尾君は続ける。
「でも全くわからない訳じゃない。逆に羨ましいかも」
ドキッとした。ドキッとしたから、私も神尾君と同じ感情を持っているのだと、気付いてしまった。
子供に自由なんてほぼ無い。大人に従うだけの日々の中、塾の仲間達とは気が合って、休まず通っている。
でも皆いなくなっていく。
自由なんてほぼ無い子供の、これは最後の自由だ。
羨ましい。
来なくなった理由は皆同じ。
自殺したから。
(続く👻)