毒親への返報

毒親や虐待をメインに書いています。

使者①

学習塾の仲間達が、随分と減ってしまった。

元々こじんまりとした所で、皆仲が良いと思う。

一人、また一人と塾に来なくなって、今数人しかいない。

来なくなった理由は皆同じ。


神尾君が、私の隣に座った。

「なんか寂しくなったよね」

「ここの塾呪われているのかな」

「次は僕?止めてくれよー」

笑っている。笑っていられる状況ではないのだが、
私もこうして普段通り塾に来ているのだから、似た様なものだ。
笑みを消して、神尾君は続ける。

「でも全くわからない訳じゃない。逆に羨ましいかも」

ドキッとした。ドキッとしたから、私も神尾君と同じ感情を持っているのだと、気付いてしまった。

子供に自由なんてほぼ無い。大人に従うだけの日々の中、塾の仲間達とは気が合って、休まず通っている。

でも皆いなくなっていく。

自由なんてほぼ無い子供の、これは最後の自由だ。

羨ましい。

来なくなった理由は皆同じ。


自殺したから。


               (続く👻)