八月の後半に入った時、気付いてしまいました。
夏に混ざり込んだ秋を。
食材や虫の声というわかり易いものではなく、まだ暑く熱中症に関する情報が流れる最中、
一瞬[あ、]と気配だけ。
勿論数多の秋が目前に来ているのをぼんやりと気配だと感じているだけでしょうが。
幾日か経ち、そして気配は夜に姿を表し風が吹いて「こんばんは」と言った。
もう夏じゃないんだ、
スタンバイだけしていたエアコン一度も使っていないよ、
夜に一番聴覚を占める音響は虫の声、
更に思わず「寒い」と呟いていた。
また連れて行って貰えなかったの、夏は私の手を取ってくれなかった。
その手は宙にポツンと放られ、
ーーーそっと何かに撫でられた。
あぁもう気配じゃない、涼風が私に触れて、
秋が来た。
また置き去りにするの?
今度は連れて行ってね。
秋色が好きだから、これで見納めがいいな。
冬に放らないで、
手を取って。
🍂 🍠👻🎵