朝食にバナナが出されていたのは、
いつもの風景だった。
食べられないけれど。
知能指数が低いと罵られるのは、
いつもの日常だった。
低いからこそ、どうすれば高くなるのかわからなかったけれど。
辛い事がいつもあって、
その環境に居続けると、
慣れていく。
とは言え、
平気ではない、
受け入れてもいない、
麻痺に近い、慣れ。
今思うと、
私だけがその状態に陥っていたのではない。
同じ家に住む人間一人一人が
細かい異様な部分に、
慣れてしまっていた。
麻痺していた。
そんな中、たった一人で、飲み込まれずに、
「そんな事は(そんな事を言うのは)止めて下さい」
と、主張出来るかどうか。
出来ないのだ。
それが、養育する者とされる者の関係。
第三者が見たら「抗えばいいじゃん」と思うだろうが、
異様な事に慣らされた子供には、
無理なのだ。
抗拒不能でも、
そう見えないのだ。
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