あなたの持ち物である傘を差しているだけで、
今この雨から私を守っているのがまるで、
あなたみたい。
短い距離でも、あなたに送って貰う一時が好きだった。
直ぐ到着してしまうけど、
じゃあねと言って手を振ったりして。
賑やかな空間、仲間と騒いで過ごして、
二人に特別な繋がりなんて無い。
人間に具わる不可解な感情・感覚、
何故、
傘を借りるのでも、あなたのが良かったりする。
些細な事、
隣に座ったり座らなかったり。
逢いたいと胸を焦がす程じゃない、
それでも、
一緒の時間が、好きだった。
知り合いの女の子が、あなたの彼女になった。
密な様子の話を、私は楽しく聞ける。
ショックを受けた訳でもない。
また仲間として遊んで、
同じ様に時が過ぎる。
それ以上にならなかったのは、
私が咄嗟に、
逃げたからだ。
(続く👻)