「ちょっと俺の手持ってて」
「はぁ?」
「あー(手が)冷てぇ!マジでごめん」
「手を繋いで雨に打たれてって、何だこれ」
呆れた風に言いながら、あーあ、この実際の温度は狡いな、と思っていた。
でもこのくらいなら。
これ以上にならないなら、少しだけ、
いいかな。
「一応ポケットに入れてあっためてた」
「ふぅん」
「あ、呆れてるだろ。子供じゃねーんだからとか」
「そんな事ないって」
「なんか二人だと……、絶望にならないな」
「絶望にならないね」
「じゃあまぁいいか」
手を繋いで歩いても、いいか。
取り敢えずこの関係が直ぐには壊れたりしないだろう、今の二人なら。
そぼ降る雨も、
左手と心だけ、冷やせなかった様で。
*****
当然フィクションですよ❗
💑 👻