毒親への返報

毒親や虐待をメインに書いています。

冷えない部分②

「もっと降らねぇかな、そうしたら俺達絶望の真っ只中!」

「軽いなー」

恋愛抜きにしても、時に人恋しくなる事はあるのかもしれない。
寂しいからか、と思うと嫌になる。

そこまで寂しがりやじゃないのに、誰かといると弱くなって、家に着いて一人になるのを回避しようと
、こうやってダラダラ歩いているのか。

これでは友人に申し訳ない。

「寒くない?」

「少し冷えてきた」

「ごめん」

「何で謝ってるの?」

「こういう時男は……」

「いいって、冗談だよ」

付かず離れずの友人同士、この関係が壊れるのを恐れている。

相変わらず土砂降りにはならず、地味に身体の熱を奪う。

「ちょっとこれ持ってて」

友人は右手に何か握っていて、私は特に何も考えず左手を差し出す。

その手を掴まれた。

「???」

感触的には何も持たされていない様だが……。


                (続く👻)