恐怖などで支配されている場合は無理でも、
そうではないのに、
何故〈それ〉を言わないのか、
不思議に思うのかもしれない。
もし言うのなら、
個人が特定されない世界で、
見知らぬ相手に対して、
台詞の様に、
詩の朗読の様に、
歌唱の様に、
文字にでもして、
著すのだろう。
唯一心置き無く言えるのは、
声にせず内へ、
脳で心で囁く。
それなら大丈夫、何度でも。
物心付いた頃から、音の無い言葉が積み重なる。
世の中はそれを表に出す事を推奨している。
それでも言わないのは、
防御反応だ。
本来は自分を守る為に言う言葉、
なのに自分を守る為に言わない、
〈それ〉は、
「助けて」
(続く👻)