生で津波を見ていました。
瓦礫を巻き込んで、川を登り迫り来る、
真っ黒い魔物。
テレビ番組でよく取り上げていますね、
本当に津波は真っ黒い色でした。
私の住んでいる付近は建物が流されたりの被害は取り敢えず見えず、他はどうなのだろうと息を潜めて、避難所でラジオの情報だけに集中していました。
この時聞いた短い内容が、脳に焼き付いています。
ーーー〇〇浜に、二百から三百の遺体が打ち上がっているとの事ですーーー
え。
現実ですか。
この現代(当時)に、この日本に、そんな事が有り得るのか。
この時やっと、広く甚大な被害が及んでいるのだと知りました。
原稿を読み伝えるアナウンサーの声が、震えていて……。
猫だけ持って避難した、東日本大震災。
十年経っても、
緊急地震速報の音に心臓は極度にバクバク、
津波の映像は観るのが辛く、
亡くなった方達と行方がわかっていない方達に想いを馳せる。
そして、ここからが私の卑屈でさもしいところ。
テレビ番組では津波の映像の他に、
家族の絆もバンバン流れる。
余り多く観ると、何と言いますか、
それはそれで少し、辛くなります……。
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