「ーーこうやって学校で会えるけど、正直言うと…それ以外でも会いたい。でも今は無理だからーー」
面倒くさい相手だと思われても仕方が無い。悪い事をしていないのに私の親に訝し気に見られ、嫌な気持ちになっただろう。
普通というものを夢見たのが馬鹿だ。
繁明は優しいから言葉に困っているかもしれない。
気にしないで離れられる様にしなければ。
「ーー堂々と会える様になるまで…、」
「今までありがとう。変な親でごめんね。気を使わないでいいよ私の事は」
「連絡はしてもいい?」
私は何となく頷いてその場を離れた。
手を伸ばしても、身体自体をズルズルと引っ張られている。
何にも届かない。
もういいや、
疲れた。
繁明からの連絡は毎日来る。
重さを出さずにやり取りするのは厄介で、自ずと文字はシンプルに。
着々と死に近付いているのをバレたくない。
普通の高校生でいられたら、きっと、繁明を好きになっていたのかもしれない。
一緒にいたい人なんて、そう簡単に現れるものではないのに。
恋にもならず、終わるのだけれど。
(続く👻)