毒親への返報

毒親や虐待をメインに書いています。

遅れて来た眺め③

「ーーこうやって学校で会えるけど、正直言うと…それ以外でも会いたい。でも今は無理だからーー」

面倒くさい相手だと思われても仕方が無い。悪い事をしていないのに私の親に訝し気に見られ、嫌な気持ちになっただろう。

普通というものを夢見たのが馬鹿だ。
繁明は優しいから言葉に困っているかもしれない。

気にしないで離れられる様にしなければ。

「ーー堂々と会える様になるまで…、」

「今までありがとう。変な親でごめんね。気を使わないでいいよ私の事は」

「連絡はしてもいい?」

私は何となく頷いてその場を離れた。


手を伸ばしても、身体自体をズルズルと引っ張られている。

何にも届かない。

もういいや、


疲れた。



繁明からの連絡は毎日来る。
重さを出さずにやり取りするのは厄介で、自ずと文字はシンプルに。

着々と死に近付いているのをバレたくない。

普通の高校生でいられたら、きっと、繁明を好きになっていたのかもしれない。

一緒にいたい人なんて、そう簡単に現れるものではないのに。


恋にもならず、終わるのだけれど。


               (続く👻)