毒親への返報

毒親や虐待をメインに書いています。

遅れて来た眺め④

空虚な日々が過ぎる中、本当に何となく、今日死のうと思った。

今日という理由は特に無い、昨日でも一週間後でも同じ。

思い立ったのなら今なのだろう、変わらずクラスのみんなと接して、いつもの様に真っ直ぐ帰宅…せず、何処かでやろう。


「帰り僕に付き合って」

繁明は私と視線を合わせてそう言った。

「……帰らないと」

「わかってる。でも一緒に来てくれ」

どうして。思い立った時が実行時なのに、今日に限って何故。

「私が怒られるだけならいいけど、繁明が悪者にされるのが嫌」

「構わない」

何を言っているのか。うちの親の軽蔑の目を向けられた筈なのに。

「警察沙汰にするよ、うちの親なら」

「親に連絡を入れた上で同級生と夕方頃会っている状況で、警察はどう動くんだ」

「無理」

「僕も無理、梨花がいなくなるのは」

「えっ」

どういう意味、いなくなるなんて、素振りさえ見せていない。

今日死のうとしたのも、急に思い立ったのだから。


「いなくなるんじゃないかって、急に不安になった。悪者にされても何でもいい、今日は一緒にいてくれ」


               (続く👻)