その後。専門家や大人が入って、最優先されたのは、
母の治療だった。
精神科に入院。母の異常性に父は全く気付かなかったと言う。
正常ではなくなった自分を晒け出し打付ける相手が私だけだったというのは、
何だか切ない。
私はカウンセリングを受けながら、学校に通っている。
門限などの縛りは無いが母がいない分やる事が増えて、遊び惚けてはいられず父と分担してやっている。
繁明と二人で過ごす時間が嬉しいのに、バレたくない事がバレて気不味い。重い奴と思われて距離が出来ても仕方が無い…のだが、
今日も私達は一緒。
〈死〉についての会話は無い。
繁明の家で母に電話をした時に死のうとしている事がバレたと思っていたが、後で繁明のお母さんがある事を教えてくれた。
「ある女の子が「命を絶つかもしれない、心配だ」って息子が狼狽えるから、じゃあ家に連れて来なさいって言ったの。直接的な表現は無くても、やり取りしている中何か変だ嫌な予感がするって。余程梨花ちゃんの事が心配で気になっていたのねー。珍しく一生懸命」
もっと前にバレていた様で。恥ずかしいからこの話題が出ないならそのまま、わざわざ出す事もしない。
時間に追われず、時間の流れを二人で眺める。
(続く👻)