落ち着いてきた母は少しずつ、自分の内側を見つめ直していると言う。
子育てを一人任され、良くない事があれば全て母自身の所為にされ、完璧にやっていても関係の無い人から横槍が入り完璧さを崩される。追い詰められていき他から邪魔をされない様やったのが、
私を縛り付ける事だった。
誰も助けてくれない孤独。頑張っても頑張っても労われる事は無く駄目を出されてばかり。長い時間近くに置いて監視をしなければ、自分は悪い母親になってしまうーーーーー。
それが辛かったと、母はやっと吐露した。
母の扱い方がわからず異様な存在だと思っていたが、ここまで追い詰めた周りも問題がある。
母だけを悪者には出来ない。
直ぐには受け入れられないけれど、これ以上誰も、母を追い詰めないで欲しいと願う。
放たれた私は、今更経験を重ねていく。
「映画観に行こう」
「映画!?凄いね」
こんな〈当たり前〉に付き合ってくれる相手がいる。
私は一人じゃない。
一緒にいたいと思う人と過ごす時間は、
随分遅くに来た青春?みたいだ。
「他に、行きたい場所とかやりたい事とか」
「取り敢えず…今充分新鮮」
「そうか」
二人で見る様々な景色、
それだけで、
胸がいっぱいになるから。
⛅ 💗👻