毒親への返報

毒親や虐待をメインに書いています。

遅れて来た眺め⑤

「………」

返事が出来ない。一緒にいたら死ねない。それどころかもっと厳しい縛りが課せられるだろう。

好転は微塵もしない、繁明にも迷惑を掛ける、ならばここは一人ひっそりと消えていく他にない。
断ろうとした時。

「今日だけじゃない、一緒にいたいと思う相手はそういる訳じゃないから。これでもいろいろ考えてる。帰り一緒に来てくれ」

驚いて、頷いてしまった。似た様な想いを抱いているのかもと思ったら、心臓がドクッと強く打った。

この人と一緒にいたい。

シンプルな感情。

死と生が混乱している、全うな思考は回せない、ただ今は繁明に着いて行くしか……。


学校が終わって私達は何処かへ向かう。何処へ行くのか、破滅への逃避行かーーーーー

「ただいま」

「お帰りー。そしていらっしゃーい」

「??」

「入って」

繁明の自宅、そしてお母さん。よくわからないまま部屋に通されて。
このままだと迷惑が掛かるから落ち着かない。

「あの…」

「母親に電話をするんだ。同級生の家にいるって。何を言われても、自分の気持ちを伝えて」

「でも…」

「大丈夫よ」

部屋に繁明のお母さんが入って来た。


               (続く👻)