「何してるんだよ」
その台詞が聞こえた途端、冷や汗がどっと出る。
言われるんじゃないかと実は何処かで思っていたのか、この身体の反応はそう示している。
「なかなか、簡単ではなくて」
やるべき事はわかっていても、人間対人間、直ぐに通じるものではない。
男性対女性、年上対年下、親対子、自覚無い者対自覚ある者、そして加害者対被害者、である。
「何処までやったの」
「内省する様促しているところです…」
何十年も前の過去の出来事だ。微塵も記憶が薄まらず忘れられない事柄はそもそも僅かかもしれない。
相手に、無い記憶を思い出せと要求している。
記憶には無くても、事実が無くなる訳ではない。
あるのだから、生きているうちは気付くチャンスがある。
などと思いながらのんびりし過ぎていたのか。
少し疲れてきたのか。
そんな私に痺れを切らし、
貴女は現れた。
(続く👻)