穴は何処にいった②
なんと、午後の授業が始まってしまった。僕穴に嵌まったままなんですけど。
先生は「席に着きなさい」と言った後呆れ顔をした。だから出られないんだって。
何だこの異常な状況は、僕が引っ張ってと言っても「またまた~」と本気にしてくれない。授業が終わった後も友達は普通に僕が席に着いている時と同じ様に話し掛けてくる、
何なんだ!
とにかくここから出なければと腕に力を入れたり身体を捩ったり真剣にもがく。
暫く集中していて気付けなかったが、ーー教室には僕一人きり、
みんなもう帰ってしまった。
嘘だろ!?
朝までこのまま?
茫然としてからの現実への失望。
想いというものは届かないのだと知る。
脱力しているだけの時、教室の戸が開いた。
(続く👻)