あれ程動揺して固まっていたのに、口を開いた途端スラスラと言葉が流れ、落ち着いている様はまるで、自信さえ窺える。
押し黙っていたのは、話す内容をずっと考えていた為か。
終始見ていたので、その表情の微かな移り変わりが、怖かった。
結局誰も盗っていないと言い、犯人はわからず終い。
何となくの雰囲気で、いやもっと露骨にかもしれないが、チーフ以外の人間は犯人はチーフではないか!?と思っていた。
なので敢えて貴重品の管理を全てチーフに任せる事にし、それから二千円が消える事は無くなった。
年末最後の日、チーフは給料から遅刻などの違反を理由に大幅に引かれ、その分のお金が私に渡された。
盗られた分のお金が戻って来たのは良かったのだが。
この事件から何十年と経って、今でも時々思い出す。
ーーー本当に、チーフが盗ったのか。
もし真犯人が別にいたとしたら、我々(店の人達)は一人の人間に対して、何をしてしまったのか。
盗られた証拠はあっても(まぁ甘いですが)、
盗った証拠は無いまま、
一人が犯人にされた。
悪い者に罰が下されたのか、
無実の者を陥れたのか。
時が経ち過ぎて、真実はもう知る事が出来ない。
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自分の事を、軽くツイていないと散々言ってきましたが、
チーフが無実だったら、
すげぇツイてねぇな❗❗❗
最低だよ我々は。
こうやって人間は人間に無念な思いを抱かせる。
犯人だったらそれでいいんだけど。
クソつまんねぇ話を長々書いて、すみませんでした…👛💸👻