生きていると、鼓動が乱れる。
冷や汗が背中を滴り、
胃が焼け付く。
手は震え、
全身が固まる。
自分を防護するものなど無い。
ただ曝されている。
恐怖は何処にでもあって、
皆、安全地帯に逃げるのだろうが、
辿り着かない場合も、端から見つからない場合もある。
もうどうにもならない。
回避出来ぬままそれが続くと、
自分の存在を、感じづらくなった。
身体と精神の様々なスイッチが切られていく。
全部、切れたらいいのに。
幾つか入っているから、
また恐怖が迫る。
また、足音が近付く。
すると心臓が苦しくなり、
動けず、
逃れられない定めと共に、
密室の中は、
霞んで見えなくなった。
(続く👻)