そんな話を学校で真歩ちゃんにしたら、「ちょっと待ってて」と言い、ペンを一本持ってきた。
私のクリアファイルを指差し、
「親の、顔でも名前でも、何でもいいから親を書いてみて。簡単でいいよ」
「?」
本当に簡単に、丸と線だけで人を描き、顔の部分に父・母と書いた。
それを持って手洗い場へ行き、ニヤリとした真歩ちゃんはクリアファイルに水を掛けながら、指でゴシゴシ。
ーーー両親が、流れていった。
「あははははははは」
排水溝に吸い込まれていくのは水でしかないが、何だろう、あれこれ、流れていった感じがする。
「水性ペンだね」
「それあげる。いつでもやってみなよ。水に流して、下水に混ぜて、薄めてやればいい」
楽しそうな真歩ちゃん。やっている内容は子供染みているが、溜め込むタイプの私に代わって、何かしら復讐をしてくれる。
「こういう風に発散する事思い付けばいいんだけど、いつも何も出来ないんだ」
すると真歩ちゃんが。
「親が液体になったら教えてよ。代わりに私が海に流して薄めてやるわ」
何を言っているんだか、内容がちんけ過ぎて堪え切れず思わず。
「あははははははは」
「あははははははは」
真歩ちゃんは面白い。
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フィクションです。
薄めるって何でしょう❔❔
自分で書いていて❔❔でした。
📁💧💦 👻🎵