毒親への返報

毒親や虐待をメインに書いています。

蟻の最期①

ちっぽけな身体は、いとも簡単に捕らえられる。

意思など関係無い、立場の差とは、こういう事だ。

有無を言わさず水面に置かれたが、軽さにより浮いているだけ。

沢山の生き物がいて、その一つの個体が窮地に陥っていても、地球に変化は無い。

食物網であれば、少しは生態系に貢献したと言えるのかもしれないが、捕食されそうな気配は無い。

何の為に。

いたぶりたいのか。

理解不能な事はこの世に溢れているが、

こうやって、起こるものなのか。

酷く透明な水だ、
外の水はもっと濁っている。

私が浮いている事に痺れを切らしたのか、

大きな指が、頭上に迫って来て、

身体は水中に押し込まれた。

自然と浮き上がってしまうので、

何度も何度も、

水中に押し込まれた。

もがいて淵まで行こうとしても、

また水中に押し込まれた。


流石に水が馴染んだか、

身体はゆっくりと、

水中に引き込まれていく。


                  (続く👻)