ちっぽけな身体は、いとも簡単に捕らえられる。
意思など関係無い、立場の差とは、こういう事だ。
有無を言わさず水面に置かれたが、軽さにより浮いているだけ。
沢山の生き物がいて、その一つの個体が窮地に陥っていても、地球に変化は無い。
食物網であれば、少しは生態系に貢献したと言えるのかもしれないが、捕食されそうな気配は無い。
何の為に。
いたぶりたいのか。
理解不能な事はこの世に溢れているが、
こうやって、起こるものなのか。
酷く透明な水だ、
外の水はもっと濁っている。
私が浮いている事に痺れを切らしたのか、
大きな指が、頭上に迫って来て、
身体は水中に押し込まれた。
自然と浮き上がってしまうので、
何度も何度も、
水中に押し込まれた。
もがいて淵まで行こうとしても、
また水中に押し込まれた。
流石に水が馴染んだか、
身体はゆっくりと、
水中に引き込まれていく。
(続く👻)