シャボン玉を割るな①
そこには無いのだと知っていたら二人きりにならなかったかもしれない。
狭い空間で距離が近付くと擬似的に関係が深いと勘違い……すら出来ず、それでも奇跡でも藁でも掴みたかった。
独りが寂しいのではない、残念ながら寂しがりやにはなれず温もりが暑苦しいと感じる事さえあるのに、誰かと何処かへ繰り出す。
友達でも恋人でもない、そうなりたいと言うよりもっとーー求めていたのは救世主だ。
突然現れて私を救ってくれる、のを待っている余裕は無い。
直ぐ助けて。
誰か助けて。
安易に二人きりになるのは危険だ、それでもそこに僅かな望みがあるかもしれないと、
私は誘われる。
(続く👻)