どろ〜んと溶けてまるで骨が無いみたいに小さな箱にも収まってしまうし、
びよ〜んと伸びた姿は驚く程長いし、
する〜んと潜り抜け自由に行きたい所へ行ってしまうし、
猫は柔軟だ。
片や人間は何故こんなに硬い、
一般的な可動域には限度があり、関節を折り畳み狭い場所に収まろうとしても手足を動かせる余裕がなければ入れず、結局そこそこの広さが必要だし、
夜空に向けて思い切り手を伸ばしても全く届かないし、
人混みや重責を潜り抜けるのは思いの外困難で、行きたい所へ自由に行けたらどれ程いいのだろうと願望を抱くだけだし、
人間は身体も思考も硬くて堅い。 だからか、
骨は折れ、 心は折れ、 未来も折れる。
引き攣ったままの身体をベッドに投げ出すが、
にゃ〜んと言いながら潜り込んで人間の不自由な形にぴったりと添う。
猫は液体だと言われる所以だ。
ーーなかなか上手く出来ている。
🐱 👻