毒親への返報

毒親や虐待をメインに書いています。

微動だにせずのたうつ

伏せた目線の先には足元や床があるが、映像は配信されていない。
所謂、瞬きはせず辛うじて呼吸が自然と出来ているというところか、そして少し吐き気が伴う。

不適切な言葉を、全身に浴びている。珍しい事ではない。
卑猥な言葉を言いながら薄ら笑いを浮かべる人間が、私の顔を覗き込む。

ーーーーー嬉しそうだ。いやらしい台詞を吐かれて押し黙る私を見るのが嬉しいのか、悪趣味な人間がいるものだ。

こういう大人が近くにいる場合、子供はどう対応するのが正解なのだろう。少なくとも私は何も出来なかった、無知で無力、完敗である。
これを聞いたらあの悪趣味な人間はまた嘸かし、悦ぶのだろう。


恐らく、静寂。
見た目は何も変わらない。日々を繰り返すのみ。
この違和感は何なのか、これは、私の身体・精神の内部で起きている。

恐れ戦き悲鳴を上げ、喉に激痛を覚えながら尚叫び続ける。
苦しみもがいて転げ回り、四肢は無意識に床を掻き毟る。
壁に頭を打ち付け、汚濁した血液を体外に棄てる可く、更に何度も打ち付ける。
髪の毛を掴み抜けるだけ毟る。
床にドロドロとした赤黒い物が溜まっていき、敢えてそれで滑って転び、脳や臓器に損傷を与える。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


これだけのたうち回って、誰も気付かない?

これだけ派手に騒ぎ立てているのに。

ーーーーーあぁ、申し訳ない。
これを行っている最中、その状況下の私は、

微動だにせず。

誰も気付く筈はない、これは私の脳内の心像。

それでも、現実と共鳴している。

損傷の痕を感じているから。