住んでいる家の扉や戸は、開ければ何処に続いているのか、開ければ何が入っているのか、大体把握している。
収納庫など細かくは何が置かれているかわからないが、生活用品や大して意味も無い物などだろう。
二階の廊下の突き当たり、そこの大きくは無い扉の中には布団や座布団などが入っていた筈、なのだが…少し扉が開いていて、窓からの光が差し込むが、中は真っ暗なままだ。
空っぽなのか?と近付くと、空というより真っ暗な中先が続いているかの様に何も見えない。
そんな訳は無いだろうと目を凝らして覗いていると暗さに慣れてきて、奥の奥の方に微かに何か見える様な気がした。
気がした途端急に見え始め、ずっと先まで奥が続いている。
???
身を屈め、進入してみる。怖さもあるが、吸い寄せられる感じだろうか。四つん這いである程度進み、広くなってきたので立ち上がると奥が少し明るい。歩き進めるとかなり明るくなって、周りは木材や土壁で造られている。
ドアに突き当たった。開けると普通に…………野外。初めて見る場所だが、のんびりした田舎の風景で、天気も良く晴れてどギツい陽射しも無く、気温は丁度心地好い。
家の近所ではないのは確かで、どう見渡しても山々の形が初めて見るものばかりだ。
スリッパを脱いできてしまったのでその場に留まっていると、近くで畑仕事をしていた御婦人がサンダルを貸してくれて、それを履いて散歩がてら歩いてみる。
爽やかな空気、自然の緑が目に優しく、数は少ないが家も車も舗装された道路もあって人もいて、本当に田舎町そのものなのだが、
この、機微な違和感は何だ。
(続く👻)