普段は忘れている。
自分の身体を流れる血など気にも留めないが、
赤い月が、曝け出す。
ーーーーー汚れているくせに。
赤錆色に濁って、血管の中をドロドロと浸蝕しているだろう、私の血。
同じだ。
吐き気がする。
乳児や幼い子が、精神を自ら汚していくのは不可能だ。
何事も受け止めて、
全身に浴びて、
気が付いたら、
汚濁していた。
表面ではわからないから、
気付かない振りをして生きていたのに。
夜を支配する程の重い月が、
知らない振りをするなと、露にする現実。
ーーーーーお前の血は、汚れているくせに。
あぁ、そうだ。
そうだった。
どう浄化しようとも、
表面しか繕えない。
闇が共鳴するなら、
どうせなら、
濁ったこの血を、全部吸い取って貰おうか。
暗く、赤く、錆びた月の下に、
身を投げ出して。
(続く👻)