顔面の衝撃。脳が揺れた後、自分の顔が何処かに行ってしまった感じだ。
床に血が滴り落ちる。目や歯の辺りが熱い。
用事があるから出掛けると言った途端、父親に突き飛ばされ、棚に顔を打付けた。
支配下に置く者に自由に行動されるのが余程気に入らないのか、激昂し大声を出していたくせに、
血を見て逃げる様に父親は部屋を出ていく。
こんな目に遭ってまでも、どうしても行こうとしている場所には、よくある流れでは微かな希望がそこにあるから、だろうが、
待つのは、面倒くさい闇でしかない。
私を目の敵にしている同級生達に呼び出されている。
行かなければもっと面倒な事になるので、バックれる選択肢は無い。
時間が無い、早く行かなければ。
腫れているのか、視界が狭い。
口の中の血を味わいながら、
闇から闇へ、
ヨロヨロと移動する。
(続く👻)