争いに使う器具だ。
人々が紛争を起こし、相手を傷付け倒す為に使われているのを映像で観た事があるが、
今僕に振り上げられている腕や脚は、
まるで武器でしかない。
対抗する気は元々無い、
抵抗しないのが一番マシだと、学習させられている。
刃向かったり逃げたりしたら、更に酷い痛手を負うだけだ。
最小限に抑える為に、
叩かれても、
殴られても、
蹴られても、
踏まれても、
立たされ倒され、
また立たされ倒され、
ただの骨と肉の塊になって、
遣り過ごす。
僕は武器を使わない。
痣だらけでボロボロで最早使い物にならない。
思考が停止し掛かる中で、
ぼんやりと、
僕に暴力を振るう人の手足は、
よく動くなぁ………という、
感想を持った。
こんな時に。
少し可笑しい。
(続く👻)